造影剤を使用される方へ
造影剤を使用してCT検査を行うことにより、組織における血液の流れ・分布といった要素が加味され、極めて高い情報量を得ることができます。造影CT検査は主治医が全身状態に心配がなく、かつ診断上必要とした場合に行われます。
逆に造影剤を使用しないCT検査(単純CT検査)では、必要な情報を十分に得ることができないこともあります。ただし造影剤注入によるCT検査では極めて低頻度ながら副作用を生じる可能性があります。
副作用について
造影剤の注入による副作用は、基本的にはヨード(ヨウ素)による過敏症です。造影剤注入してすぐのもの(即時型)と検査終了後30分~48時間におきるもの(遅延型)とに分かれます。
これらのほとんどの副作用は一過性で身体に危険のないものです。即時型のものには、発疹・皮膚掻痒・顔面紅潮・嘔気・嘔吐・腹痛・熱感・咳等があります(発生頻度は約3%ほどです。)
遅延型のものには、頭痛・発疹・皮膚掻痒・じんま疹・浮腫・悪心・嘔吐・腹痛・めまい・全身倦怠感 ・ふるえ・動悸等があります。(発生頻度は約8%ほどです。)
ごくまれにですが、ショック・呼吸困難・血圧低下・意識消失等の重篤な副作用を生じる可能性があります。(発生頻度は0.05%以下です)。これらの症状が生じた場合には、緊急かつ迅速に対応させていただきます。場合によっては、入院加療を必要とすることもあります。
死亡に至る副作用は30万人~40万人に1人の確率で起きています。
造影CT検査を受ける前の注意事項
- 造影剤を使用する方で検査が午前の方は 朝食を摂らずにおいでください。
- 午後の方は 昼食を摂らずにおいでください。
- また検査前に水・お茶などを300ml程度飲んでください。(禁:乳製品)
- 糖尿病薬を内服中の方は、検査当日は服用を止めて下さい。
- 他の内服薬は、医師の指示がない限り普段通り内服して頂いて結構です。
※次のような方は必ず事前に医師・看護師・放射線技師にお知らせください。
- 妊娠中もしくは妊娠している可能性のある方
- 現在授乳中の方
- 心疾患の既往、腎臓に障害のある方。
- 過去に造影検査で副作用のあった方。
- 気管支喘息やじんま疹等の出やすい体質の方。
- 重症の甲状腺疾患の方。