概要
当科で扱う疾患は主に呼吸器外科疾患、消化器外科疾患、内分泌外科疾患、救急外科疾患で、循環器外科を除くにしておりますので、心臓血管外科領域と一部の難症例を除く殆どの外科疾患は当科で対応が可能です。
具体的には各領域の良性疾患全般と癌が治療の対象となっております。
当院は地域に根ざした総合病院であり癌センターのようなセンター病院ではありませんが、良性疾患はもとより各種の癌に対する治療成績は、症例数の多いセンター病院と比較殆どの外科領域を対象しても特に変わりありません。
また高齢化社会に伴い、心疾患や脳梗塞、糖尿病や血液透析などの基礎疾患をお持ちの患者様が年々増加しておりますが、当科では総合病院の利点を十分に生かし、麻酔科や循環器内科、腎臓内科など他科との連携を緊密に安全で根治性の高い外科治療を提供しております。
新病院開設向け外科スタッフ一同なお一層質の高い医療を提供出来るよう心掛けて参りますので、いつでも御相談頂ければと思います。
具体的な診療内容は下記の通りです。
- 呼吸器外科疾患
- 肺癌、中皮腫などに代表される悪性疾患から、気胸などの救急疾患、胸腺腫などの縦郭疾患まで扱っています。
胸腔鏡下肺切除などの低侵襲手術も積極的に行っております。 - 消化器外科疾患
- 食道、胃、小腸、大腸(結腸、直腸)などの消化管疾患と、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、脾臓などの腹部実質臓器疾患が対象となります。
- 上部消化管
- 胃、十二指腸の穿孔や出血性潰瘍に対しては、病状に応じた過不足の無い手術を、通常の胃癌に対しては積極的に腹腔鏡下手術も取り入れており、安全で低侵襲な治療を心掛けております。
- 下部消化管
- 大腸癌が主な対象疾患です。
通常の大腸癌は腹腔鏡下手術が主流になりつつあり、当科でも積極的に腹腔鏡下手術を行っております。 - 肝疾患
- 肝細胞癌や肝内胆管癌、転移性肝癌に対して肝機能を十分考慮した上で、積極的に切除を行っております。
肝機能低下症例にはRFA(ラジオ波焼灼術)などの低侵襲治療も可能です。 - 胆膵疾患
- 胆嚢は殆どの症例が胆石症ですが、ほぼ全例に腹腔鏡下胆嚢摘出術で対応しています。
胆管癌は発生部位により術式が異なりますが、肝切除+胆管切除、膵頭十二指腸切除術などが適応となります。
膵疾患は膵癌や膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などが主な治療対象で、膵頭十二指腸切除術や膵体尾部切除術、膵全摘術などを行っております。
消化器外科疾患は、症例数では大学病院や癌センターなどのhigh volume centerには及びませんが、術前や術後の補助療法も含め、治療成績はほぼ同等となっております。 - 内分泌外科疾患
- 乳腺、甲状腺、上皮小体(副甲状腺)などの疾患が対象です。
乳癌:乳房温存術から非定型乳房切断術まで幅広く対応しております。
形成外科と連携して乳房再建術も行っております。
甲状腺癌や上皮小体(副甲状腺)疾患の手術も行っております。 - その他の疾患
- 虫垂炎、ヘルニア、痔核などの良性疾患手術も数多く行っております。