□ 通年性アレルギー性鼻炎

@抗原除去・回避は治療の基本として必ず行う。

A中等症以上で、保存的療法が奏効しない場合は、特異的免疫療法も選択肢の1つである。

B鼻閉型で、鼻腔形成異常を伴う場合は、手術も選択肢の1つである。

C薬物療法は、重症度と病型の組み合わせで選択するが、画一的なものではない。

□ 花粉症

@抗原回避は必ず行う。

A外来で可能な手術が行われ、有効性が報告されているが、レーザー手術、化学剤手術の翌年以降への効果の継続は確認されていない。シーズン中の手術は避けるべきである。

B特異的免疫療法も選択肢の1つであり、スギの抗原は日本で唯一標準化されている。

C薬物療法は、通年性アレルギー性鼻炎とほぼ同様に選択するが、花粉症に対して有用の報告が多い方法を示す。

 

  症状が出る前から治療を始める場合(予防的治療法、初期療法)

 @第2世代抗ヒスタミン薬

 Aケミカルメディエター遊離抑制薬

 どちらかを例年の症状の程度によって選択し、花粉飛散終了まで続ける。

 

 

 症状が強くなってから治療を始める場合(導入療法)

 @経口ステロイド薬(糖尿病や消化性潰瘍などの合併症がない患者のみに使用。ただし1週間以内でやめる。)

 A局所ステロイド薬

 B第2世代抗ヒスタミン薬

 重症度、病型から、通年性アレルギー性鼻炎治療薬を選択する。

 ただし、@は最長2週間で中止する。ABのどちらか、あるいは両方を続ける。

 

 

 良くなった症状を維持するために(維持療法)

 @第2世代抗ヒスタミン薬

 A局所ステロイド薬

 Bケミカルメディエター遊離抑制薬

 どれか1つまたは複数を花粉飛散終了まで続ける。 

 

 

 眼の症状が強い場合

 抗ヒスタミン薬またはケミカルメディエター遊離抑制薬の点眼薬を使用。

 ステロイド薬の点眼薬は緑内障などの副作用があるので、慎重に用いる必要がある。