CT(Computed Tomography)

High Speed NX/i

CTはコンピュータ断層法(Computed Tomography)の略です。文字どおりコンピュータを使って身体の輪切り(断面:断層面)をみる装置で、当院の装置は検出器が2列あるマルチスライスCTです。

シングルヘリカル(検出器が1列のCT)と比較すると同じスライス厚で撮影時間が1/3に短縮され、同じ時間で比較するとスライス厚を1/3(10mmのところを3mm)にすることができるので、より精細な画像が撮影でき、今まで見えなかった病変が見えるようになり、立体画像も実物に近いイメージでできるようになった。

マルチスライスCTの最大のメリットは撮影の高速性である。撮影の高速性によりテーブル移動距離を長く設定でき、造影CTでは造影効果がなくならないうちに広範囲を撮影できる。

例えば全下肢などの1m近くの領域を5mmスライスでわずか70秒で撮影できる。これはシングルヘリカルでは絶対に不可能な検査で、この装置の大きな特徴の一つである。


Hispeed NX/iでは通常のCTの1/3の呼吸停止時間で同じ範囲を撮影することが可能であり、高品質の3-D画像が作成可能となった。
撮影時間の短縮は、他にもさまざまな利点がある。たとえば、状態の悪い患者や疼痛により長時間同一体位を保持できない場合でも、短時間で検査できるようになったのは大きな福音である。
マルチスライスCTでは、より簿いスライス厚あるいは厚いスライス厚の画像を再構成することができる。何らかの病変が見つかった場合には検査後に再撮影をせずに薄いスライス厚の画像を再構成することにより当該部位の詳しい情報が得られ、臨床的有用性が非常に高い。